活性化推進リーダー

なってしまったのである。

 

サラリーマンやっていると、正規の仕事の他にも色々と回ってくる。さすがに源氏鶏太のサラリーマン小説みたいな「上司の引っ越しの手伝い」「大株主の娘のショッピングのお供」なんてのはなくなったが(昔はホントにあったらしいぞ)、最近は別の形で出始めた。〜委員会、というのがソレである。

 

委員会にも色々あって、正規の辞令が出るのもあれば、何となく回覧が回ってきてやるのもある。辞令が出る方は、もうほとんど仕事である。うちの会社も本部制をとっているので、会社全体で推進するような業務は委員会にしてしまえば良い。委員長は本部長か常務クラスで、大抵部課長が委員をやることになる。
そういう委員会は、ホントに仕事するのは委員の部下なので委員は結構楽である……といっても、部下が駄目だったらまずいことになるが。それでも自分ではほとんど動かない。命令するだけである。こういうのはやたらと多くて、うちの管理職はほとんど全員が二つ三つの委員会をカケモチしている。

 

それに対して、ひっそりと活動する委員会もある。予算もつかないし、強制力もなく、だが社長か誰かが「〜べきなのです」というような抽象的な発言をして、それに対してアクションを起こさないといけなかったり、あるいは偉い人(本部長クラス)が一念発起して始めたりするものだ。これについては、各部署にメールがきて、部署長は目についた不運な奴にそれを押しつける。

 

今回私がやらされることになったのもそれの一つである。成り立ちははっきりしないのだが、研究所(組織名ではなく建物)の活性化というテーマで、各部署から1名ないし2名を出せと言われたらしい。私の背に突然グサッと白い矢がたち、仕方なく出かけていったところ、主催者はこないだ取締役になったばかりの研究所長であった。所長といっても単なる管理責任者で、身分は一本部長である。うちの研究所はいろんな本部の寄り合い所帯だし、研究所長には他本部の人に対する命令権はない。だからやたらと低姿勢である。実は旧知の人なので、できるだけ目立たないようにしようと思っていたら集まりが悪くて露骨に認識されてしまった。ま、期待はされてないらしいのでほっとしたが。

 

そもそも活性化リーダーとかいうのは若い人の役目だろう。募集メールにも「若手」となっていたらしい。うちの部署長が私への嫌がらせで決めたのかもしれない。私は浮いていた。中には今年入社したというようなのもいるのである。意見を言ったがやはり浮いていた。会の名前を決めたり、リーダーを決めたり(研究所長がやるのかと思ったら「私は今だけ」とか言う。まぁそうだろうなあ)、あとはとりあえず今年の納会で何かしましょうというような流れになっていったが、あと一月で何ができるというのだ。予算もないし。

 

それに、委員会というよりは「会」。委員ではなく旗振り役だったらしい。研究所の活性化なので、例えば私がうちの部署の中で「みんなもっと隣の人と話しましょう」とか旗を振ることを期待されているわけである。そんなのが嫌で逃げてるから会社の中でも孤立しているのに。まったく憂鬱である。仕事もうまくいってないし、前途に希望もないし、ここでは愚痴を書かないと決めたはずなのに、どうにも暗くなってしまう。活性化なんかせんでもいいってば。

 

これも給料のうちだ。来週にはちゃんとボーナスも出るらしいし、何、人間金がからめば大抵のことは我慢できるものである。まぁ何とかするさ。


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