小説投稿サイト

なるほど、と納得なのである。

 

色々あるのだが、実をいうと総じてそんなに面白くはない。かといって全部駄目かというと、そういうわけでもない。面白いかどうかの比率でいえば、現実の本と同じようなものなのではないだろうか。もちろん誤字とかヘンな文章の多さなんかは、製本されている本とは比べものにならないほど大量だが。

 

小説、物語というものは、実は読者側の条件に左右される。文章の上手さやストーリー展開とは別の次元で、面白いかどうかを決めるのは読者である。だから、誤字だらけで改行もヘンな話でも、好みにぴったり合えば面白い。そしてそれは、プロ・アマチュアの区別がない。プロの方が長けていることは確かだが。

 

現実の本だけでも読み切れないというのに、なぜそういうサイトを見るのかというと、製本されなくても売れなくても私好みの話がときたまあるからだ。もちろん読んでみなければ判らないが、まぁ最初の十行読めば大体判る。ネットの場合は、駄目だと思えばすぐに次の話に移れるので非常に効率がいい。無料だし。

 

ところで、私が「お気に入り」に登録しているサイトがある。その筋では結構有名なところらしい。ただ自分の小説を載せて誉めあうのではなく「鍛錬場」という設定なのだ。感想ではなく、批評や指摘を貰い、それに回答しなければならない。荒らしには厳しく、監視者がアクセス制限や削除を日常的に行う。いわば道場かな。その名も「作家でごはん」。作家志望者向けのサイトである。

 

昔は私も投稿の常連だったが、自分が「作家でごはん」でないことに気づいて今は差し控えている。小説でメシを食うには覚悟が足りないのだ。それに、ここで得られるのは基本的な文章力のチェックくらいなもので、作家になるのには必要条件ではあっても十分条件ではないし。最低限、何が書いてあるのか読めるくらいの文章力があれば、小説は書けるし売れさえするかもしれない現在、度胸試しくらいにしか使えないサイトかもしれない。

 

で、久しぶりに見て気づいたのだが、いくつか読んでみて妙に中学時代の話が多いと思ったら、どうも「ヤフー文学賞」に落選した話を載せている人が多いらしいのだ。作者はおそらく中学生だろう。みんな結構達者な文章、それなりのストーリー、まあまあの設定で書いている。最後まで読む気になったのもいくつかあったくらいで、この業界のすそ野は広いなと思ってしまった。中学生でこれなら、最大限あと十年くらいはあるのだから、ひょっとするとモノカキになるヤツも出てくるかもしれないなあ。

 

でも、とりあえず大学出たらサラリーマンになっといた方がいいと思うぞ。


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